興味も全くなく、見るつもりも全くなかったこの映画、おじさんの心にも柑橘系のさわやかな風が吹いたのだ。
この映画は、協議かるたを題材にした少女コミックを映画化したものらしい。親戚の20代半ばの社会人男子も良く知っていた。作者の末次由紀さんのこともコミックの存在も知らなかった私は先入観ゼロで見ることが出来た。 (映画の内容や競技かるたのことや作者のことは勝手に調べてください。)
映画は洋画
小学生のときに生まれてはじめて映画館で観た「チキチキバンバン」以来、私の頭の中では映画というものはガイジンが英語で喋り、字幕を読むものだと思い込んでいる。映画といえば洋画なのだ。申し訳ないがそういう偏見を持っていた。宮崎駿さんや、三谷幸喜さんなど私の偏見を打ち砕く邦画が増えてきて、偏見もだいぶ矯正されてきたと自覚してはいるがしかし、、、。
興味ないし
少女向けの、子供向けの、マンガを実写かした映画なんて、タイトルはしゃれているがどうせ安っぽくて浅い恋愛映画だろう、お客さんは中学と高校の女子とオタク成人男子なんだろう。現実世界でお金の心配をしながら地道に地味な砥石を作っている、やや疲労のたまったオヤジには無縁の世界だ。と思っていた。
正直3回涙が流れた(花粉症じゃなくて感動で)
違った。自分との葛藤、友達との競争と協力、信頼、貢献、闘争心。これらが彼らの心の中で湧き上がり、それを自覚し、魅力的な人間に成長して行く様を、広瀬すずをはじめ魅力的なキャスト(たぶん有名な人たちなのだろうが、名前知らん)を使って表現した作品だ。そして袴姿、神社、さくら、という日本人の生活にまあ普通に存在する、ありふれた風景の中で繰り広げられる、武士の真剣勝負かと思うほどの緊張感とスピード感のある競技かるた。私は撮影技術に関してはさっぱりだが、日本の内面、外面の美しさが見事に表現されていると思う。日本人でありながら、日本人に憧れてしまう。
あー、なんか子供向けの映画を真面目に書評してしまってちょっと恥ずかしい。要するに、「スタンドバイミー」や、「起動戦士ガンダム」と同じようなテーマで、私の好みだったと。少年少女の成長を見るのは実に気持ちの良いものだな、ということである。
しかし外国の人に、「日本はこんな国でこんな人たちが住んでいます。」といってこの映画見せてあげればたった2時間でかなり正確に日本を理解してくれるんじゃないかな。
お客さんは
観客は、初老の夫婦、数名のオバハングループ、なぜかマッスルでちっさいおっさんと老人。子供は一人、高校生はゼロ。全部で20人くらい。劇場の2割程度か。日曜日の朝1番の上映だったとしても若者がいないということが意外だった。 まあ、コミックで知っている若者は実写化されてストーリーを端折られることに我慢ならんのかもしれないが。
というわけで、ちはやふる~下の句~、スターウォーズと同じくらい楽しみだ。しかも4月末と早い上映だし。
2016/03/29 tue